れっくすのつぶやき

マイペースに色んなことを書いてきます

ゲームの良心について

サモナーの法典

 

League of Legendsというゲームがある。世界で最も人口の多いオンラインゲームと言われている(本当かどうかは知らない)このゲームは、基本ルールは5対5で相手の陣地を破壊するのが目的というシンプルさながら、とても奥の深い戦術性を擁している。

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プレイ人口はなんと1億人以上!

 

昨年の1月位から自分もこのゲームを始めた。MOBAというジャンル自体初めてだったので最初は操作や覚えることに苦戦したが、今ではまあ、普通のプレイヤーぐらいの腕前には上達した(と思う。)

上のリンクは、「サモナーの法典」という、このゲームを始めるにあたってのマナーやコミュニケーションにおける注意事項をまとめたものだ。ゲームの運営であるRiotGamesは、新規プレイヤーにはプレイする前にまずは一読することを推奨している。

 

では、そもそもなぜそんなものが必要なのか?

 

答えは簡単。League of Legends、通称LoLは、そのゲームの人気もさることながら、プレイヤー民度、つまりマナーの悪さについても有名なのである。これは対戦ゲームの宿命のようなものだが、LoLは規模が規模なだけに、その荒れっぷりは並ではなく、本来は敵を見失ったときに出す?マーク(MIAピンと呼ばれる)を味方に出したり、暴言を吐いたり、さらには人種差別発言まで頻繁に飛び出す。動物園と揶揄されることも多い。LoLは遊んだことはないけど、民度が低いことなら知ってる、というような人も少なくない。

5対5の対戦ゲーム、それにチャットや豊富な意思伝達の方法が用意されてる時点で既に荒れる要素は数え切れないほどあるのだが、LoLFPSなどの対戦ゲームとは違い、「1人でも勝てる」といった状況がほとんどない。FPSなんかは上級者であればあるほど、1人で2人を倒したりといったキャリープレイができる。LoLにもそのようなプレーはあるにはあるが、それでも他の4人がほんっとうにダメダメだと絶対に勝てない。だからこそ意思伝達の手段が多く用意されているのだが、残念ながら現状それをいい方向に活用しているプレイヤーは非常に少ない。

 

RiotGamesは他のゲーム会社に比べてこのプレイヤーの民度の改善にかなりのリソースを割いている気がする。定期的にコミュニティーボードや公式サイトでプレイヤー間の問題に言及したり、なぜゲームで怒ってしまうのか、といった精神分析の記事まで用意している。こういった運営からの民度を改善しようという動きは非常に好感が持てる。ただ放置するのではなく、しっかりとプレイヤーと向き合っている。この会社から学ぶべきことは非常に多い。

 

では、なぜそんなに運営が民度改善に積極的なのに、LoL民度最低のゲームだと言われ続けているのか?

僕の考えでは、本質的な原因はゲームでも運営でもなく、むしろプレイヤー側にあると思う。

結局はMIAピンを出すのも暴言を吐くのもプレイヤー自身なのだから、それは当たり前と言ったら当たり前なのだが、どうもLoLの場合、それをプレイヤー自身が正当化しすぎている気がする。

他のゲームの場合、暴言を送ろう、と思っても実際に送る人はごく少数だろう。何故か。ここでプレイヤーをせき止めているのは、他でもなく罪悪感である。こんなことを送ったら相手は嫌だろうなとか、こんなに相手や味方を煽ったりするのは許されないな、とかそういった感情だ、これが、民度の低下を防いでいる「良心」だ。この「良心」は、プレイヤー1人に1つ、といった具合ではなく、まるで空気のようにゲーム中に充満しているものだ。民度が高いゲームというのは、この良心の空気がとても高いレベルで維持されている。逆に、民度の低いゲームほど、この「良心の空気」も少なくなり、煽りや暴言をせき止めるものが無くなっていく。では、この良心の空気を作るのは誰だろう。ゲームに用意されているのか、運営がポンプのようなものでこの空気を満たしてくれるのか。

他でもない、この空気を作れるのはプレイヤーのみなのだ。僕が原因はプレイヤー側にあると言ったのはこういう意味である。LoLにはこの良心の空気が極端に欠けているのだ。

 

実を言うと、自分自身もLoLでは煽りや暴言を躊躇なく吐いていた。これだけ皆が煽り煽られしてるんだから、自分も煽っても大丈夫だろうと思っていた。明らかに良心が欠けていた。

自分がLoLを始めて数ヶ月の頃、ちょうど一緒の時期にLoLを始めたフレンドと一緒に試合をしていた。僕はいつも通り、あほな死に方をした見方にMIAピンを鳴らしまくったり、「○○、GG」といった具合に、戦犯(スコアが一番低いプレイヤーを勝手に戦犯にしてた)のプレイヤーを煽ったりしていた。

そんなときフレンドが個別チャットで自分にメッセージを送ってきた。

何と言うことはない、その煽りみたいなピンやチャットは不快だからやめたほうがいいという内容だったのだが、その時自分の中でこういう行為はもはや何ら罪悪感のない普通の行為だった。フレンドに言われるまで、そんなことは誰にも言われなかった。だからこそ、自分にはかなりハッとさせられるものだったのかもしれない。

 

それからは、煽りは暴言はほとんどしなくなった。(たまにカッとなってやってしまうこともあるが。)

LoLは本当に楽しいゲームだ。最近ではこのゲームにすっかりハマってしまい、毎日プレイしているぐらいだ。日々新しい戦術やテクニックが編み出され、プロプレイヤーなども含めプレイヤーの腕はどんどん洗練されていっている。それと同様に、マナーの質もどんどん洗練されていくことを願っている。

 

?ピンや暴言は当たり前だろうか?皆がやっているから自分もやっていいだろうか?

心のどこかで自分の行為を正当化していないだろうか?相手も画面の前に座っている人なのだ、それが中国人だろうがベトナム人だろうが関係はない。いかに自分が被害者でも、非は完全に相手にあっても、それは相手を貶したり煽ったりしていい理由にはならないのだ。また、そういう行為の責任は全て自分自身にある。LoLは暴言、煽りが当たり前のゲームではない。それをしっかりと自覚しなければならない。

LoLをやって性格が悪くなる人間はいないのだ、それは性格の悪い人間がLoLという、良心の空気がほとんどない環境に置かれたゆえに、自制がきかなくなっただけだろう。この「良心の空気」をどれだけプレイヤーひとりひとりが作っていけるか、それが重要なんだと思う。

 

そういったことを考える為にも、初心者も、経験者も、もう一度サモナーの法典を一読してみてはいかがだろう。

 

 

 

 

 

最近feedしまくってて申し訳ナス。